環境知能研究室

人工知能とセンシング技術が紡ぎ出す新たな世界の創出を目指して

人工知能の核心である機械学習の基礎研究をとおして,インターネットにつながったあらゆるモノからの実世界データを用いて,未来を予測し,それを題材とした小説や動画・CG・アニメーションの自動生成する環境知能の研究に挑戦しています.環境知能は,人工物や自然・環境に知能をもたせることを目指して,例えば,「お気に入りのモノを知能ロボット化する」・ 「身の回りの環境やモノにコンテンツを創らせる」・ 「お気に入りのモノと一緒にコンテンツを創る」といった人とモノが織りなす世界を創造していきます.

こんな研究をしています.

センサーで集めたデータを解釈し,わかりやすい言葉にする.

身の回りのモノにセンサーをつけ,その環境で何が行なわれているのかがわかるようなシステムを作ろうとしています。例えば,湯飲みに加速度センサーをつけ,いろんな人が湯飲みを扱うときのデータを集めます.それらをデータマイニングしていくことで,お茶を飲んでいるのか,湯飲みを洗っているのか,さまざまな動きとデータとの関連性が明らかになってきます.その解釈するということが大切なのです.

100年に1度しか起こらない異常気象を事前に予測する.

過去に前例がないような異常気象の発生を予測するため,(1) 全国にある1300箇所の1時間ごとの降水量のデータの10年分につき,(2) 24時間で1つの降水パターンと考えパターンが異常かどうか判定するための「異常度」を計算します.例えば、24時間連続して雨が降ることが少ない地域において、24時間大雨が降り続いた降水パターンは異常度が高いとみなし,(3) さらに,異常度が高いパターンと異常度が低いパターンが繰り返し起きたり,突然異常度が非常に大きいパターンが検出されたとき,異常気象の発生が近いと判断します.

センサー値から,スマホの位置をわりだす.

スマホには,温度センサーや湿度センサー・加速度センサーなどのたくさんのセンサーが搭載されており,スマホがある場所の温度や湿度といったデータが簡単に得られます.それらのデータを周囲の環境と結びつけることで自分が今どこにいるのかをわりだします.この技術は,とりわけ,地下街などのGPSが利用できない場所において真価を発揮します.

フィージョン:2つのアニメ画像を融合する.

2つの顔画像から,それらの顔画像の特徴を持った顔画像を自動作成する,つまり,2つの画像をフュージョンして新たな画像を創作する研究をしています.その方法は,ディープラーニングという学習手法により,大量の顔画像を用いて,色合いや輪郭など,画像の特徴を数値化させることを学ばせます.すると,各画像の特徴は数値化され,たし算やかけ算といった演算ができるようになり,例えば,数値化された各特徴の平均することで,2つの顔画像の各特徴を持った新たな画像ができあがります.

岡留研究室のサイトへ