航空宇宙工学分野は,構造工学や熱,流体,電気電子,システムなど
あらゆる分野を包括する総合工学です
航空宇宙構造工学はモノの形や機能を追求します
航空機やロケット,人工衛星の設計開発では,より軽く,より堅牢な構造物を実現するかたちや機能を工夫するだけでなく,新たな機能をもつ航空機や宇宙機を創成する先進的な研究が不可欠です.岸本研究室では,実際の航空宇宙ミッションに直結する様々な構造工学の課題を解決するとともに,新しい航空宇宙機の創成を目指して,とくに自然界に存在する多様な構造にインスパイアされた研究を幅広く行っています.
私たちはこんな研究をしています!
鳥のように自由に翼のかたちが変わるモーフィング翼機の実現を目指して
自由に空を飛翔する鳥の翼は,状況に応じて翼の形状を柔軟に変化させるだけでなく,折り畳んで収納することができます.このように自律的かつ連続的にかたちを変えることができる翼を「モーフィング翼」といい,世界中で研究されています.岸本研究室では,モーフィング翼機の実現を目指して,鳥類学者と一緒に,鳥の剥製を使った風洞実験や数値解析に取り組んでいます.
微小重力環境下での最適構造を探して
宇宙空間の特徴は空気がない高真空と微小重力です.真空チャンバーを使えばある程度高真空な地上実験ができますが,地上で再現できる微小重力環境は極めて限定的です.そこで,岸本研究室では,浮力の作用で疑似的に微小重力環境となっている海中に生息している有殻原生生物の骨格に着目し,そのかたちや機能について研究しています.
軌道上や月面,惑星上での大型構造物の実現を目指して
軌道上や月面,惑星上に,宇宙ステーションなどの居住空間や高感度の大型アンテナ,大電力の太陽電池パネルを構築するには,軽くて建設や維持が容易な大型構造物が必要となります.岸本研究室では,こうした大型構造物の実現を目指して,多くのモジュールを組み立てるモジュール型構造物や,折り畳んで収納した膜面を展開する膜面展開構造物の研究に取り組んでいます.
実際の航空宇宙ミッションに直結する課題を解決する
実際の航空宇宙ミッションの現場では,さまざまな課題が日々出現し,限られた開発期間の中で解決することが求められます.たとえば,軌道上で展開する展開構造物の性能を地上でどのように保証するか,また,軌道上でどのように確認するか,があげられます.岸本研究室では,宇宙機に搭載可能な画像計測装置の研究開発で,この課題の解決に取り組んでいます.