付録C ジョルダン標準形99のようにとれて,対角化のときのようにならべてかけば(A−λI)(υw)=(0υ)=(υw)⎛⎜⎜⎜⎜⎝0100⎞⎟⎟⎟⎟⎠.∴(υw)−1(A−λI)(υw)=⎛⎜⎜⎜⎜⎝0100⎞⎟⎟⎟⎟⎠.左辺を展開し,両辺にλIをくわえれば(υw)−1A(υw)=⎛⎜⎜⎜⎜⎝λ10λ⎞⎟⎟⎟⎟⎠(C.6)となる.この右辺をジョルダン標準形という.以上を定理という形でまとめよう.定理C.2.1.行列Aの固有値λが重根で,λに方向がことなる2つの固有ベクトルがあれば行列Aは対角行列である.2.行列Aの固有値λが重根で,方向がことなるλの2つの固有ベクトルが存在しなければ,Aはジョルダンの標準形に変換することができる.問1. 2次行列に対するケーリーハミルトンの定理をたしかめよ.問2. 行列A=⎛⎜⎜⎜⎜⎝01−12⎞⎟⎟⎟⎟⎠が対角化できないことを示し,行列Pを適当にとりP−1APがジョルダンの標準形となるようにせよ.C.2 ケーリーハミルトンの定理について前節では,ケーリーハミルトンの定理をジョルダン標準形の導出のために使った.この定理は「やってみるとそうなっている」不思議な式だという印象があるかもしれない.ケーリーハミルトンの定理は,pAを因Allrightsreserved,OkadomeLab.
元のページ ../index.html#99