線形代数入門
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84第5章固有値と固有ベクトル定理5.4. 2次正方行列Aは,1.固有方程式が重根をもたなければかならず対角化できる.2.固有値λが重根で,λに方向のことなる2つの固有ベクトルがあればAはそもそも対角行列である.3.固有値λが重根で,方向がことなる2つの固有ベクトルが存在しなければ,Aは対角化できないが,ジョルダン標準形に変換することができる.問題1. A=⎛⎜⎜⎜⎜⎝0121⎞⎟⎟⎟⎟⎠を対角化せよ.またAnを求めよ.2. A=⎛⎜⎜⎜⎜⎝abcd⎞⎟⎟⎟⎟⎠のトレースをtrA=a+dで定めた.trAB=trBA,trBAB−1=trA(|B|0のとき)を示せ.3. 対称行列B=⎛⎜⎜⎜⎜⎝abbc⎞⎟⎟⎟⎟⎠(a,b,cは実数)と回転行列R(θ)=⎛⎜⎜⎜⎜⎝cosθ−sinθsinθcosθ⎞⎟⎟⎟⎟⎠について,θを適当にとればR(−θ)BR(θ)がかならず対角行列になることを示せ.4. TTT=Iを満たす(実)正方行列を直交行列という.Tは2次行列としよう.(1) T=(u1u2)とかけば,この条件は∣∣∣uj∣∣∣=1かつu1⊥u2と(u1とu2が直交する)同値であることをたしかめよ.また∣∣∣T∣∣∣=±1であることを示せ.(2) A=⎛⎜⎜⎜⎜⎝−1/6221⎞⎟⎟⎟⎟⎠を対角化する直交行列Tを(あれば)すべて求めよ.Allrightsreserved,OkadomeLab.

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