第5章固有値と固有ベクトル83υ1=12⎛⎜⎜⎜⎜⎝√31⎞⎟⎟⎟⎟⎠,υ2=12⎛⎜⎜⎜⎜⎝−1√3⎞⎟⎟⎟⎟⎠がそれぞれ固有値4,−8の固有ベクトルである.これらを長さ1にとったおかげで(υ1υ2)=12⎛⎜⎜⎜⎜⎝√3−11√3⎞⎟⎟⎟⎟⎠=R(π6)であり⎛⎜⎜⎜⎜⎝13√33√3−5⎞⎟⎟⎟⎟⎠=R(π6)⎛⎜⎜⎜⎜⎝400−8⎞⎟⎟⎟⎟⎠R(−π6)となる.よって⎛⎜⎜⎜⎜⎝XY⎞⎟⎟⎟⎟⎠=R(−π6)⎛⎜⎜⎜⎜⎝xy⎞⎟⎟⎟⎟⎠により,k=(XY)⎛⎜⎜⎜⎜⎝400−8⎞⎟⎟⎟⎟⎠⎛⎜⎜⎜⎜⎝XY⎞⎟⎟⎟⎟⎠=4X2−8Y2.よってこの2次曲線は,xy座標をπ6回転したXY座標でみれば,k=0なら交わる2直線Y=±√22X,k0ならこれらを漸近線とする双曲線である.注. 上で(υ1υ2)=R(π6)のかわりに(υ2−υ1)=R(−π3)をとってもBは対角化される.これはX方向と−Y方向をいれかえることになるが,軸のよび名がかわるだけでおなじ概形が結論されるのはいうまでもない.(υ1−υ2)をとった場合もY軸の正負の向きがいれかわるだけで同様である.問2. 2次曲線5x2−2√3xy+7y2=4の概形を調べよ.本章の最後として,これまでの結果と固有値が重根になるときとをあわせてまとめよう.まず,λを任意の数としたとき,⎛⎜⎜⎜⎜⎝λ10λ⎞⎟⎟⎟⎟⎠なる行列をジョルダン標準形という.重根の場合の主張の正当性は付録Cで述べるが,以下の定理が成り立つ.Allrightsreserved,OkadomeLab.
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