第5章固有値と固有ベクトル75また,(5.7)をみてみると,(υ1υ2)は回転行列R(θ)であり,AはA=(υ1υ2)⎛⎜⎜⎜⎜⎝100−1⎞⎟⎟⎟⎟⎠(υ1υ2)−1=R(θ)⎛⎜⎜⎜⎜⎝100−1⎞⎟⎟⎟⎟⎠R(−θ)と,「回す・折り返す・回す」に分解できる(図5.3下図).つまりまず(υ1υ2)−1=R(−θ)をかけてx,y座標からxθ,yθ座標へうつり,新しい座標で第2成分yθを−1倍して「折り返し」,またもとの座標にR(θ)倍でうつるとAが得られる.これらの合成がlについての折り返しである.直線に関しての折り返しを表わす行列Aが,2つの回転ではさまれた対角行列に分解されることに注意してほしい.問1. Aを直線y=xtanθに関する折り返し,Bをx軸に関する折り返しを表わす行列とする.ABとBAはそれぞれどんな変換を表わすか.5.32次曲線xとyの2次式3x2−2xy+3y2=1(5.8)が定めるxy平面の2次曲線Cを考えよう.これは(x+y)2+2(x−y)2=1(5.9)とかけ,さらにX=x+y√2,Y=−x+y√2とすれば2X2+4Y2=1(5.10)となる.つまり新しいXY座標でみることで,曲線Cが楕円であるとわかる.X軸,Y軸はたがいに直交し,またX,Yを定めるのに√2でわったので,(X,Y)=(1,0),(0,1)が表わす2点の原点からの距離は1となり,縮尺もxy座標とおなじである.この座標変換を行列でかけば⎛⎜⎜⎜⎜⎝XY⎞⎟⎟⎟⎟⎠=1√2⎛⎜⎜⎜⎜⎝11−11⎞⎟⎟⎟⎟⎠⎛⎜⎜⎜⎜⎝xy⎞⎟⎟⎟⎟⎠⇐⇒1√2⎛⎜⎜⎜⎜⎝1−111⎞⎟⎟⎟⎟⎠⎛⎜⎜⎜⎜⎝XY⎞⎟⎟⎟⎟⎠=⎛⎜⎜⎜⎜⎝xy⎞⎟⎟⎟⎟⎠(5.11)Allrightsreserved,OkadomeLab.
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