線形代数入門
74/103

74第5章固有値と固有ベクトルOυ2f(υ2)ααθyυ1Pf(P)flxOαP−θlR(−θ)✲Oα(l)☛(100−1)✲Oαα(l)θR(θ)✲OPααlθf(P)図5.3. 直線l:y=xtanθに関する折り返しとその分解.ここでθ=0とするとA=⎛⎜⎜⎜⎜⎝100−1⎞⎟⎟⎟⎟⎠となり,これはたしかにx↦→x,y↦→−yというx軸l:y=0についての折り返しを表わしている.これで,原点をとおりx軸とθの角をなす直線lに関して折り返す線形変換の行列はA=⎛⎜⎜⎜⎜⎝cos2θsin2θsin2θ−cos2θ⎞⎟⎟⎟⎟⎠であることがわかった.重要なことは,先にも述べたように,直線lの方向ベクトルであるυ1と,それに直交するυ2は,それらにAをかけてもやはりおなじ向きをもつベクトルになることである.このυ1とυ2以外の方向をもつベクトルυは,Aをかけるとυとはことなる方向をもつベクトルになる.つまり,υ=sυ1+tυ2,s0,t0,とするとAυ=sAυ1+tAυ2=sυ1−tυ2となり,υとAυはことなる方向をもつ.これらの事実は,ベクトルυ1とυ2は,行列Aにとって「Aに固有の」特別なベクトルであることを意味する.Allrightsreserved,OkadomeLab.

元のページ  ../index.html#74

このブックを見る