第5章固有値と固有ベクトル73方向ベクトルυ1,法線ベクトルυ2はυ1=⎛⎜⎜⎜⎜⎝cosθsinθ⎞⎟⎟⎟⎟⎠=fθ1, υ2=⎛⎜⎜⎜⎜⎝−sinθcosθ⎞⎟⎟⎟⎟⎠=fθ2にとれて,これらは基底をなす.(5.5)を式でかけばf(υ1)=υ1, f(υ2)=−υ2(5.6)である.一般のベクトルの像はこれらの基底を用いてf(sυ1+tυ2)=sf(υ1)+tf(υ2)=sυ1−tυ2となる.つまりfは(5.6)で完全にきまっている.f(υ)=Aυとすれば,(5.6)はAυ1=υ1, Aυ2=−υ2となる.まとめてかくと,A(υ1υ2)=(υ1−υ2)となる.ここで注意してほしいことは,Aをかけてもυ1とυ2は(符号は別として)向きをかえないことである.例1でみたように,行列(υ1υ2)は,図5.3上図からわかるように,θだけの回転行列R(θ)である.そこで(υ1υ2)−1=R(−θ)を両辺の右からかければAが得られる.折り返しは向きをかえる(平面を裏返す).この行列Aの行列式は|A|=−cos22θ−sin22θ=−1でたしかに負でAが平面を裏返すことを示している.A=(υ1−υ2)(υ1υ2)−1=⎛⎜⎜⎜⎜⎝cosθsinθsinθ−cosθ⎞⎟⎟⎟⎟⎠⎛⎜⎜⎜⎜⎝cosθsinθ−sinθcosθ⎞⎟⎟⎟⎟⎠=⎛⎜⎜⎜⎜⎝cos2θ−sin2θ2sinθcosθ2sinθcosθsin2θ−cos2θ⎞⎟⎟⎟⎟⎠=⎛⎜⎜⎜⎜⎝cos2θsin2θsin2θ−cos2θ⎞⎟⎟⎟⎟⎠.(5.7)Allrightsreserved,OkadomeLab.
元のページ ../index.html#73