線形代数入門
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第4章行列式63例2. 平面の「ずらし」(図4.3)を表わすA=⎛⎜⎜⎜⎜⎝1t01⎞⎟⎟⎟⎟⎠(tは実数)についても行列式は1である.✲✻✻✲Oe11xe21yU⎛⎜⎜⎜⎜⎝1t01⎞⎟⎟⎟⎟⎠−−−−−→✲✻✕✲OtAe21xe21y面積1e1=Ae1図4.3. 平面のずらし.Aはe1,e2をそれぞれυ1,υ2にうつすので,det(A)の正負はAによる変換で平面が裏返るか(すなわち向きをかえるか)どうかを表わしている.例3. 対角行列∗⎛⎜⎜⎜⎜⎝a00b⎞⎟⎟⎟⎟⎠は,a,bは実数,なら座標平面を横にa倍,縦にb倍する線形変換を定める.対角成分のaとbがともに0でなければ行列式はabである.ab<0なら平面を裏返すが,a<0,b<0ならab>0であり,(ともに−1のときを考えるとわかるように)(−1倍)(=180°回転)と拡大の合成であり向きをかえない.問3. 以下の行列で表現される線形変換で平面が裏返るか.(1)⎛⎜⎜⎜⎜⎝1237⎞⎟⎟⎟⎟⎠. (2)⎛⎜⎜⎜⎜⎝2231⎞⎟⎟⎟⎟⎠.問4. 回転の行列R(θ)で表現される線形変換で平面は裏返らない.これを示せ.∗行列(a1a2a3a4)においてa2=a3=0である行列(a100a4)を対角行列といい,a1とa4をその行列の対角成分という.Allrightsreserved,OkadomeLab.

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