線形代数入門
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56第3章線形変換sin(α±β)=sinαcosβ±cosαsinβ,(復号同順)cos(α±β)=cosαcosβ∓sinαsinβ.上の式が成り立つことを,それぞれ正弦の加法定理,余弦の加法定理という.線形変換の逆変換A=⎛⎜⎜⎜⎜⎝abcd⎞⎟⎟⎟⎟⎠, u=⎛⎜⎜⎜⎜⎝xy⎞⎟⎟⎟⎟⎠, u′=⎛⎜⎜⎜⎜⎝x′y′⎞⎟⎟⎟⎟⎠とおいてu′=Au (3.9)と表わされる線形変換をfとし,fの行列Aが逆行列A−1をもつ場合を考える.A−1Au=uであるから(3.9)の両辺に左からA−1をかければu=A−1u′が得られる.A−1=⎛⎜⎜⎜⎜⎝a′b′c′d′⎞⎟⎟⎟⎟⎠とおけば,fの逆写像は⎛⎜⎜⎜⎜⎝xy⎞⎟⎟⎟⎟⎠=⎛⎜⎜⎜⎜⎝a′b′c′d′⎞⎟⎟⎟⎟⎠⎛⎜⎜⎜⎜⎝x′y′⎞⎟⎟⎟⎟⎠と表わされやはり線形変換である.これをfの逆変換という.定理3.6. 線形変換fの行列がAで,Aの逆行列A−1が存在すれば,fの逆写像も線形変換で,その行列はA−1である.問3. つぎの式を表わす線形変換について,逆変換の式を求めよ.(1)⎛⎜⎜⎜⎜⎝x′y′⎞⎟⎟⎟⎟⎠=⎛⎜⎜⎜⎜⎝1−201⎞⎟⎟⎟⎟⎠⎛⎜⎜⎜⎜⎝xy⎞⎟⎟⎟⎟⎠. (2)⎛⎜⎜⎜⎜⎝x′y′⎞⎟⎟⎟⎟⎠=⎛⎜⎜⎜⎜⎝3912⎞⎟⎟⎟⎟⎠⎛⎜⎜⎜⎜⎝xy⎞⎟⎟⎟⎟⎠.問4.(1)原点を中心とする相似比kの相似変換の行列を求めよ.Allrightsreserved,OkadomeLab.

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