線形代数入門
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第3章線形変換45問3. 線形変換fと定数k,lに対し,以下の等式が成り立つことを示せ.f(kp1+lp2)=kf(p1)+lf(p2).基本ベクトルe1とe2の線形写像fのもとでの像をそれぞれe′1とe′2としよう.平面上の任意のベクトルpをp=x⎛⎜⎜⎜⎜⎝10⎞⎟⎟⎟⎟⎠+y⎛⎜⎜⎜⎜⎝01⎞⎟⎟⎟⎟⎠=xe1+ye2としたとき,pのfのもとでの像p′=f(p)は,線形変換の線形性によりp′=xe′1+ye′2.p=3e1+2e2p′=3e′1+2e′2✻✲✸✲✻NyMe2Oe1pPxyOe′2p′P′e′1xf✲✻✍✯✒❘図3.7.線形変換によるベクトルの像.図3.7は,p=3e1+2e2が線形変換fのもとでp′=3e′1+2e′2にうつされる場合を示している.これは,図3.5と図3.6で示したことの再確認であり,その基本は線形変換の線形性にあることがわかる.つまり,図3.5から図3.6への変換の議論では,線形変換の行列を具体的に示し,基本ベクトルe1とe2のfによる像ベクトルをその成分で表示して任意の位置ベクトルuがu′にうつるさまを示した.それに対して,図3.7の議論では,fの線形性という性質だけから任意の位置ベクトルpがp′にうつるさまを示した.Allrightsreserved,OkadomeLab.

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