線形代数入門
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40第3章線形変換例1と例2・例3であつかった写像は,平面上の点(x,y)に点(x′,y′)を対応させるVからVへの写像であり,つぎの形のx,yの1次式によってすべて表わされていた.⎧⎪⎪⎪⎨⎪⎪⎪⎩x′=ax+by,y′=cx+dy.⎛⎜⎜⎜⎜⎝a,b,c,dは定数⎞⎟⎟⎟⎟⎠.このように,定数項のない1次式で表わされる写像を線形変換または1次変換という.上の式の行列を用いて表わせば,⎛⎜⎜⎜⎜⎝x′y′⎞⎟⎟⎟⎟⎠=⎛⎜⎜⎜⎜⎝abcd⎞⎟⎟⎟⎟⎠⎛⎜⎜⎜⎜⎝xy⎞⎟⎟⎟⎟⎠となる.またA=⎛⎜⎜⎜⎜⎝abcd⎞⎟⎟⎟⎟⎠,u=⎛⎜⎜⎜⎜⎝xy⎞⎟⎟⎟⎟⎠,u′=⎛⎜⎜⎜⎜⎝x′y′⎞⎟⎟⎟⎟⎠とおけばu′=Auとも表わされる.行列Aをこの線形変換の行列または1次変換の行列という.逆にこの線形変換のことを,行列Aで表現される線形変換,あるいは簡単に行列Aによる線形変換という.問3. 線形変換の行列が⎛⎜⎜⎜⎜⎝2134⎞⎟⎟⎟⎟⎠のとき,この線形変換によるつぎの各点の像を求めよ.(0,0),(1,0),(0,1),(5,−6).線形変換⎛⎜⎜⎜⎜⎝x′y′⎞⎟⎟⎟⎟⎠=⎛⎜⎜⎜⎜⎝abcd⎞⎟⎟⎟⎟⎠⎛⎜⎜⎜⎜⎝xy⎞⎟⎟⎟⎟⎠による点E1(1,0)の像が点P(p1,p2),点E2(0,1)の像が点Q(q1,q2)であれば(図3.4)Allrightsreserved,OkadomeLab.

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