線形代数入門
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第2章逆行列と連立1次方程式33表のような変形は,行列の言葉でいえば,(1)第i行をk倍する.(k0)(2)第i行のk倍を第j行にくわえる.(ij)ということである.前ページの表による連立方程式の解法は,(1),(2)のくりかえしによって,未知数の係数からなる行列を単位行列にかえたのである.なお,(i,i)成分が0の場合には(1),(2)のほかに,つぎの(3)が必要になる.(3)第i行と第j行をいれかえる.(ij)前ページの表Iの3は,表IIで1となるようにし,その1を用いて表IIIではおなじ列のほかの成分を0とした.表IIIの13も同様である.このような計算を,□で囲んだ成分を“かなめ”とする掃き出し計算といい,連立方程式の掃き出し計算による解法をガウスの消去法あるいは掃き出し法という.問1. つぎの連立方程式をガウスの消去法によってとけ.(1)⎧⎪⎪⎪⎨⎪⎪⎪⎩x−2y=5,x−y=4.(2)⎧⎪⎪⎪⎨⎪⎪⎪⎩7x−3y=23,5x+2y=4.    (3)⎧⎪⎪⎪⎨⎪⎪⎪⎩5x+3y=50,9x−2y=16.(4)⎧⎪⎪⎪⎪⎪⎪⎨⎪⎪⎪⎪⎪⎪⎩x−2y=10,y+3z=−18,z−4x=−21.(5)⎧⎪⎪⎪⎪⎪⎪⎨⎪⎪⎪⎪⎪⎪⎩x−4y+3z=2,4x+5y−2z=1,x+y−z=1.ガウスの消去法による逆行列の計算たとえば,行列⎛⎜⎜⎜⎜⎝1358⎞⎟⎟⎟⎟⎠の逆行列⎛⎜⎜⎜⎜⎝xuyv⎞⎟⎟⎟⎟⎠を求めるには,Allrightsreserved,OkadomeLab.

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