第2章逆行列と連立1次方程式27[5],[6],[7],[8]よりa=b=c=d=0となり,これは[1],[4]と矛盾する.ゆえに,逆行列が存在し,かつad−bc=0となることはない.したがって,ad−bc=0のとき,逆行列は存在しない.注意. (2.2)は(2.1)の両端の行列が等しいことだけを用いて得られた.したがって,2次の正方行列AとXについて,AX=IならばXはAの逆行列であることが証明されたのである.問1. (2.2)が(2.1)を満たすことを,実際に計算してたしかめよ.問2. 上と同様な方法で,2次の正方行列XとAについて,XA=IならばXはAの逆行列であることを証明せよ.上の結論を述べればA=⎛⎜⎜⎜⎜⎝abcd⎞⎟⎟⎟⎟⎠に対して,D=ad−bcとおけば,(1) D0ならばA−1=1D⎛⎜⎜⎜⎜⎝d−b−ca⎞⎟⎟⎟⎟⎠.(2) D=0ならばAの逆行列は存在しない.逆行列の公式例題. つぎの各行列について,逆行列があればそれを求めよ.(1)A=⎛⎜⎜⎜⎜⎝1234⎞⎟⎟⎟⎟⎠. (2)A=⎛⎜⎜⎜⎜⎝2436⎞⎟⎟⎟⎟⎠.Allrightsreserved,OkadomeLab.
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