第1章行列19A,B,Cを2×2型の行列とし,A(B+C)=AB+ACを証明してみよう.いまA=⎛⎜⎜⎜⎜⎝a11a12a21a22⎞⎟⎟⎟⎟⎠, B=⎛⎜⎜⎜⎜⎝b11b12b21b22⎞⎟⎟⎟⎟⎠, C=⎛⎜⎜⎜⎜⎝c11c12c21c22⎞⎟⎟⎟⎟⎠とおくとB+C=⎛⎜⎜⎜⎜⎝b11+c11b12+c12b21+c21b22+c22⎞⎟⎟⎟⎟⎠であるから,A(B+C)の(1,1)成分はa11(b11+c11)+a12(b21+c21).(1.3)一方,AB+ACの(1,1)成分は,ABとAC(1,1)成分の和(a11b11+a12b21)+(a11c11+a12c21)(1.4)である.(1.3),(1.4)をくらべると明らかに等しい.同様にして,A(B+C)とAB+ACの(1,2)成分,(2,1)成分,(2,2)成分はそれぞれ等しい.ゆえにA(B+C)=AB+AC.問1. A,B,Cを2×2型の行列とし,上にならってAB−AC=A(B−C)を証明せよ.問2. A,B,Cを2×2型の行列とし,(AB)C=A(BC)を証明せよ.問3. A=⎛⎜⎜⎜⎜⎝2113⎞⎟⎟⎟⎟⎠, B=⎛⎜⎜⎜⎜⎝34−12⎞⎟⎟⎟⎟⎠, C=⎛⎜⎜⎜⎜⎝12−2−1⎞⎟⎟⎟⎟⎠のとき,つぎの式をなるべく簡単な方法で計算せよ.(1)AC+BC. (2)AB−AC. (3)ABAB.Allrightsreserved,OkadomeLab.
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