16第1章行列上の計算から,それぞれの場合に支払う代金の一覧表は,つぎの表1.8となる.代金(円)甲乙A店250300B店249286表1.8.甲と乙が支払う代金.上の例は,2つの行列A=⎛⎜⎜⎜⎜⎝50205318⎞⎟⎟⎟⎟⎠, B=⎛⎜⎜⎜⎜⎝32510⎞⎟⎟⎟⎟⎠から,Aの各行ベクトルとBの各列ベクトルの積をつくることによって,行列⎛⎜⎜⎜⎜⎝250300249286⎞⎟⎟⎟⎟⎠が得られることを示している.この行列の成分は,(1,1)成分 Aの第1行ベクトルとBの第1列ベクトルの積,(1,2)成分 Aの第1行ベクトルとBの第2列ベクトルの積,(2,1)成分 Aの第2行ベクトルとBの第1列ベクトルの積,(2,2)成分 Aの第2行ベクトルとBの第2列ベクトルの積である.この例のような考えにもとづいて,2×2型の行列AとBの積ABをつぎのように定める.行列の積A=⎛⎜⎜⎜⎜⎝a11a12a21a22⎞⎟⎟⎟⎟⎠, B=⎛⎜⎜⎜⎜⎝b11b12b21b22⎞⎟⎟⎟⎟⎠ に対してAB=⎛⎜⎜⎜⎜⎝a11b11+a12b21a11b12+a12b22a21b11+a22b21a21b12+a22b22⎞⎟⎟⎟⎟⎠.上と同様な考えによって,一般に,行列Aの列の個数と行列Bの行の個数とが一致している場合は,それらの積ABが定められる.Allrightsreserved,OkadomeLab.
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