第1章行列15このような考えにもとづいて,行ベクトルと列ベクトルの積をつぎのように定める.(a1a2)⎛⎜⎜⎜⎜⎝b1b2⎞⎟⎟⎟⎟⎠=a1b1+a2b2.右辺は1×1型の行列の()を省略したものである.すなわち,前ページのことは,1×2型の行列と2×1型の行列の積は1×1型の行列となることを表わしている.ほかの次元の行ベクトルと列ベクトルの積も,それらの次元が一致するとき上と同様に定められる.例2. (25)⎛⎜⎜⎜⎜⎝−13⎞⎟⎟⎟⎟⎠=2×(−1)+5×3=13.問1. つぎの積を計算せよ.(1)(−13)⎛⎜⎜⎜⎜⎝−2−1⎞⎟⎟⎟⎟⎠. (2)(sinθcosθ)⎛⎜⎜⎜⎜⎝sinθcosθ⎞⎟⎟⎟⎟⎠.例3. AとBの2軒の商店があって,商品の単価が店によってことなり,表1.6のようになっているとする.また,甲,乙の2人が買いたい数量は,表1.7のようであるとする.単価(円)ノート鉛筆数量甲乙A店5020ノート(冊)32B店5318鉛筆(本)510表1.6.A店とB店の商品単価.表1.7.甲と乙の2人の購入希望数.この2つの表から,甲,乙がAまたはBの店で買う場合の代金を計算すると,つぎのようになる.(1) A店で甲が買う場合(5020)⎛⎜⎜⎜⎜⎝35⎞⎟⎟⎟⎟⎠=250.(2) A店で乙が買う場合(5020)⎛⎜⎜⎜⎜⎝210⎞⎟⎟⎟⎟⎠=300.(3) B店で甲が買う場合(5318)⎛⎜⎜⎜⎜⎝35⎞⎟⎟⎟⎟⎠=249.(4) B店で乙が買う場合(5318)⎛⎜⎜⎜⎜⎝210⎞⎟⎟⎟⎟⎠=286.Allrightsreserved,OkadomeLab.
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